umenikki

小さな旅の日々

宝塚のスターさんの退団を見送ること

今日、宝塚歌劇団宙組トップスター・朝夏まなとさんが、
2017年11月19日の東京宝塚劇場公演
『神々の土地』『クラシカル ビジュー』の千秋楽をもって
退団されることが発表されました。
ネットニュースでも見出しになっていたので目にされた方もいらっしゃるでしょうか。

宝塚のことを良く知らない方も、
よくご存じの方もいらっしゃるかと思うのですが、
今の私が生徒さん*1の退団に感じる気持ちを書いて残しておきたいなと思ってこの記事を書きます。

私がはじめて宝塚歌劇を観たのは中学に入ってすぐのことで、
たまたま春休みに図書館で読んだ大浦みずきさん*2のエッセイで興味を持ったことがきっかけでした。
もともと映画や歌舞伎が好きだった私はあっという間にのめりこみ、途中10年ほど遠ざかった時期もありますが、
付かず離れず、もう20年強宝塚を観てきたことになります。

その頃は東京宝塚劇場のある日比谷まで20分ほどのところに住んでおり、さらに当時は建て替え前の旧劇場で、3階の後ろに当日1,000円の立見席があったため、中学生のお小遣いでもなんとか1公演2,3回は見ることができました。

そのころの私にとって、ジェンヌさんは本当にあこがれそのものの、夢の世界の存在でした。

(そのころファンだった白城あやかさんは今も憧れの方で、永遠の女神様です。)

高校生の時に白城さんがご卒業*3され、退団パレードにも足を運び、人垣の後ろから最後の姿を泣きながら目に焼き付けました。

それ以来、白城さんがいない舞台がさみしすぎたことと、
ちょうどストレートプレイや小劇場、帝劇、文楽など幅広く
観はじめたこともあり、宝塚は数ある舞台の一つという感覚で、
特別ファンの方もなく、時々気が向いて観に行くくらいの距離感で
楽しんでいました。

ですがここ数年、思いがけずある生徒さんに夢中になり*4、人生初のファンクラブに入って、今第2回目の充実したファン生活を楽しんでいます。

応援している生徒さんの卒業は、その後のステージもある*5と分かっていても、本当にさみしく悲しいものですが、高校生の時とは、その受け止め方が微妙に違ってきています。

考えてみると、今ご卒業されるトップスターさんたちは、ちょうど自分と同じ年齢か、少し上下するぐらいの年代なのですね。*6

そうすると、同世代の女性として、彼女たちの生きている世界、闘ってきた道のりを、やはり考えてしまうのですね。10代から芸の世界で競い合い、厳しい観客の目に鍛えられながら、自らを磨き上げ、一つの世界で最高に輝いて、今そこを去っていこうとする彼女たち。今は、純粋な憧れというよりも、「おつかれさま!」というねぎらいや、敬意の気持ちが混じった、複雑ないとおしさを感じます。

まあ、ジェンヌさんの美しさたるや、同じ現実世界の方とは思えないほどで、同世代というのもおこがましいのですが(!)

 そしてまた、応援するファンの方たちのことも、自分と同じように、お一人お一人の生活と人生がある中で、ひととき夢の舞台に慰められている、劇場に集う友人のように感じています。

日常って、生きるってやっぱりとても大変で、だからこそ、生徒さんも、ファンの方も、お一人お一人、同じ女性として*7、彼女たちの人生のひとときが本当にどうか幸せな、優しいものになるようにと願わずにはいられません。

半ば自分語りのようになってしまい少しはずかしいですが、
この記事で、新たに宝塚に、生徒さんに少しでも興味を
持ってくださる方がいらしたら嬉しいです。

今年は退団公演ラッシュでチケット状況はかなり厳しいのですが、
チャンスがあればぜひ生の舞台をご覧いただいて、
ひとときの夢の世界を楽しんでみてくださいね。
朝夏まなとさん、とても素敵なトップスターさんですよ。

エーヤン*8、宝塚!

 

 

 

 

 

*1:宝塚歌劇団では正式には劇団員のことを「生徒」と呼びます。ファンは「タカラジェンヌ」または「ジェンヌ」とも。

*2:花組トップスター。屈指のダンサーで、お人柄の優しさでもすばらしい方でした。

*3:宝塚では退団のことを卒業と呼びます。

*4:実は私が応援している生徒さんも、今年、朝夏さんの少し前に、すでに退団が決まっています(涙)。

*5:最近は卒業後も様々なご活動をされる生徒さんが多いですが、20年前は卒業後は本当にふっつりと表舞台から去られる方がほとんどで、今よりもずっと卒業は本当のお別れの感覚でした。

*6:宝塚の生徒さんの年齢は非公表ですが、少し計算すれば分かってしまうものなのです……。

*7:昔ほどではないがまだファンも女性が多いので

*8:宝塚の大人気演目『エリザベート』の台詞。「万歳」の意